卵の話ですけど、少し前に卵を中沢乳業が出している液卵に変えました。卵の話をし始めるとすごく長い話になるんですけど、ケーキ屋にとって卵は言わずもがなの、主原料中の主原料。その卵を どんなのを使う?と言うことになると、悩みどころで、と言って うちのような田舎にあると 選別できるほど卵屋さんがあるわけではないから、来てくれるところから選別するんだけど、だから「選ぶ」と言うより、来てくれるところから取るということになって、その卵が 自分のイメージに合えばいいけど、卵屋さんだって商売だし、お客さんの注文にこたえるための卵の数合わせをする。そうなると、ありとあらゆるところから いろんな卵が入ってくる。だから新しいのか古いのか?どこの養鶏場で、誰が どんな風に育てた鶏から生まれた卵かなんか 全然わからない。だから割っていても、毎回感じが違う。同じように仕込んでいるつもりでも、なんか焼き上がりが違う時がある。「それは お前の腕が悪いんだ」と言われれば、そうなのかもしれない。
でも 厳密に考えて、主原料が違えば 上りも変わってくるのは当然のような気がする。
話がちょっと違うけど、生クリームのような 調整してあるものでも、時によって、「無茶苦茶 今日の生はうまい」と思う時と「なんで??」と思う時がある。
苺でも 1パックの中で、上手い苺と、そうでもない苺がある。パイナップルやメロンのような大きい果物は、上か下か、手前側か奥側かで味が違う。だから使う時は 果物その物を飾りなどで使う時は おいしい部位を。刻んで他のものと合わせてしまうものは そうでもない部位をと使い分けたりする。
そういう事を考えると、季節や環境やえさなど 諸々の条件で卵の本質が違ってくるのは当たり前だと思って、それを主原料で使うのだから、出来上がってくるお菓子の状態も変わってくる気がするんです。それに 今って卵屋さん自体が変わってきている気がして、「何が?」と言われると解らないんだけど、鶏のエサって ほとんどが輸入品、だから円の価格が如実に値段や、えさの質にも影響している気がする。もっと言えばグローバル社会の弊害。「そんな 大げさな。たかが卵くらいで」と思うでしょうが、卵だけじゃなくて、普通に食べる肉、野菜、魚にも、お米にだって その影響はある。
あと、卵の仕入れ値段もある。
以前、養鶏場の卵を使っていたけど、訳あって取引を止めたんだけど、確かにそこの卵は値段も高かったけど 良い卵でした。いわゆる拘り卵で、品質もある程度均一で、