昨日ある業者さんが来て話していたんだけど、

その人が行くあるケーキ屋さんは 以前は随分評判の店で
人も随分雇っていて 良い仕事をしていたそうで、
そう言うところの人は大体厳しい。
自分自身も一生懸命やっていたそうだけど、
従業員に対しても厳しかったそうで、
その厳しさがどういうものだったのかは解らないけど
薄給でありながら 求める物が厳しくて 労働時間も長いとか
暴力的だったのかもしれないし、
言葉でののしるように怒っていたのかもしれない。
それはわからないけど、
そう言う話は 自分達の業界は時折聞くし 自分の店の隣町の有名店でも
同じような事は聞いて、蹴られるという話は聞いた事がある
だから 自分達の業界は非常に人の入れ替わりが激しい。

それで、本当の理由は外部からはわからないけど、
ある年のクリスマスの数日前に 従業員数人が結託して辞めてしまったそうで
材料も大量に頼んである、予約注文も随分入っているところでやられたから
その店、材料をキャンセル。予約もキャンセルして
それからは信用が無くなったのか、また従業員も入ってこなくなって
今では全く勢いのなくなってしまった店になってしまったとか。


またあるケーキ屋さんはまだ若い店主さんで
強気の「行け 行け」の店だったとかで、
数店舗まで増えたそうだけど、この前行ったら2店舗になっていて
2店舗でも大変だから本店だけに戻そうかと話していたそうで、
なぜかと言えば
とどのつまり人員不足、従業員の能力不足。
それは非常に解る。
パティシエになりたい人は ブームだから沢山いるみたいだし
そう言う店なら働きに来る若い人も多いのかもしれない
ところが、だからといってすぐに戦力になるわけではない。
たかがショートケーキを本当の意味で商品に出来るまで作れるようになるまでには 数年かかる。
それも地道に一所懸命やった人でないと そこまでになかなか行き着けない。
最初に書いた店の従業員さん達がいまどうしているのか 
やっているのか 業界その物からも辞めてしまったのか?それは解らないけど、
昔から従業員の総上がりというのはちょくちょく聞くけど、
でもそう言う事をすると、結局自分にそれが跳ね返ってくる気がする。
また店側も、そう言う事をされた店はいろんな意味で問題があると思う。


解らないけど、子供の教育と同じで 怒るにしても怒り方というのはあるだろうし、
その人のためと思って怒るのか、ただ自分の感情で怒るのか、
自分達の時代はまだ いくら怒られても「我慢」と言うのがあった気がするけど、
今の若い人はよく怒られ慣れていないから難しいと言うのは聞く。
怒られて当然の事をしても、怒り方を間違えると恨まれるかもしれないし、
その人が鬱にでもなられたら大変。
人を雇って やってもらうのは本当に大変だと思う。


今なんか、「新型鬱病」というのがあるらしい。
普段 プライベートの時はなんでもない 普通に生活しているけど、
会社に行ったり、仕事をし始めたり、特定の人の前になると鬱になると言う。
「気分が悪いから帰ります」と言って帰ったら
帰ればもう普通だから 遊びに行ってしまう。
また そう言う人は 自分に原因があったとしても
それを自分が悪いとは認識しないようで 
「すべて会社が悪い。あの人が悪い」になるらしい。

そんな事もある時代。
だから 随分経営者側が従業員に対して 気を遣っているという話もしていた。

そう言う中で、会社、店を大きくしていって、沢山の人を雇い
レベルの高い商品、仕事をして行っている人は本当に頭が下がる。
どうやってやっているのか 不思議でならない。
それに、今は最低賃金というのが決められているし、
人を雇うのなら 社会保険、厚生年金をやらなくてはいけない。
修行だから、見習いだから・・・と言って
数万というわけにはいかない、
掃除も、洗い物も、挨拶もろくに出来ない人にも
十数万出さないといけない、そう言う中で複数人雇い
やっている店って 日にどのくらい売るんだろう??とこれまた
不思議でならない。
入れた人にある程度の仕事が出来るようになるまで育てながら
経営として保てるように 仕事を確保しながら
自分達の生活も当然 成り立たせていくというのは
本当に大変だなと思う。

自分はそれ程の売り上げもないし、
もう、若い人を雇ってやりたいとは思わなくなった。
全く出来ない人が ある程度の仕事が出来るまでになるには
こっちも気を長くして教えていかないと行けないし、
若い人も 本当に腰を据えて「やれるようになるんだ!」と強い意志を持って
取り組まないとなれない。
うちのはそう言う人は来ないし、生半可な気持ちで来られては非常に経営に響く。
こう言うのも現実にある。