自分は18で菓子学校に入って、名古屋、東京のお店で働いて
ケーキ屋の技術を身につけて、28の時店をオープンさせました。
だから 修行というなら 10年
この10年が長いのか短いのかは解りませんけど、
店をやるというのは タイミングが大きく左右するので
自分のタイミングは28の時だった気がします。
人によっては もっと早い人もいれば 40,50を過ぎて
店を出す人も 当然いると思います。
それに この修行時間が2〜3年では短い気がしますけど、
20年やったからと言って、大成功するとは限りませんし、
結局商売だから売れるか売れないかだけで
1年で始めた店が大繁盛する人もいるだろうし、
10年以上修行したのにダメな人もいるでしょう。

この前チェーン店の焼鳥屋に食べに行ったんですけど
働いているのは ザッと見た感じで皆さん若い、
せいぜい30前後 後はアルバイトの人たち、
昔、焼鳥屋さんでも 「串打ち何年 焼き何年」みたいな事を
聞いた気がするし、食べ物屋さんなら同じような表現はあると思うのです。
ケーキ屋でも店の掃除、洗い物、先輩の下働き・・・みたいな
実際ケーキを作らせてもらえるようになるには2年とか3年とかかかった物ですが
今は そんな悠長な事は言ってられないかもしれませんから、
今入った人でも 器用 不器用はあってもやらせてしまう時代になっています。
だから 菓子学校を出た人は 使う側は ある意味楽ですね。
道具の名前から教えなくていいですし、

この前 テレビを見ていたら お寿司屋さんの話ではじめは
老舗の若い見習の人が 何人もいるようなお店で
そこの親方が言うんですけど、本当にすしを握れるようになるまでには最低10年。
やはり最初は店の掃除、洗い物、魚をさわらせてもらうには 先は長そうな感じで
それでも、10人いて 一人前になれるのは2〜3人だと 親方は言っていました。
本当に厳しい修行。
自分も ケーキ屋をみていると、そうだと思う、実際店を出せるのは一握り、
(腕の問題もありますけど、お金の問題の方が大きいかもしれませんけど・・)
テレビ的に、いかにすし職人が大変で厳しい世界かを 視聴者に見せておいて
今、すし職人の専門学校があって、1年で大体 お寿司が握れるようになるんですね。
いろいろコースが別れているみたいで、半年コース、1年コース みたに。
そこで 朝から晩まで握りの練習、後は魚のさばき方や市場に行って魚の目利きとか・・・

習いに来ている人の中で 30過ぎの男の人で その学校に来る前は
遺跡の発掘調査をするところにいたと言う人がいて、驚きましたけど
食べて行くにはそういう事なんでしょう。

それで「なるほど・・」と思ったのが、今って世界中で和食、お寿司ブーム
だから、決して日本でお店を開こうなどと思っていないんですね。
海外の日本料理屋、お寿司屋で雇ってもらおうという。
授業の中で当然、英語や中国語などの勉強もあるとか。
日本をみても、今はチェーン店のお寿司屋が乱立していますから、
たまにいっても、若い女の人が握っているお店もありますから
そういうところで働こうとすれば、
すしネタは 本部からお寿司に良いようにさばかれて 送られてくるのかもしれませんから
とにかくお寿司を握れれば良いわけで
食べるお客さんは、その人がどういう人かなんか考えないですから
かえって 怖い顔したおじさんより、お兄さん、お姉さんの方が頼みやすいから良いのかもしれません。
(何となく若い人の方が 清潔感がある気がしますし)

だから 先に書いた 厳しい修行とか、「お寿司屋はこうあらねばならぬ。」とか
「お寿司とはこうあらねばならぬ、」みたいな哲学などいらない。
この前の ミシュランガイドで三ツ星をもらった銀座だかの 老舗お寿司屋さんが
話題になっていましたが、黙って座って3万円とか5万円とか・・と言う世界。
そういうお寿司屋もあるけど、魚もろくにさばけないすし職人が、握る事しかできないすし職人が
「すし職人」として名乗っている、と言う 
まあ時代と言えば時代だし、職業は職業だし、別にとやかく言う事はないし、
実際うちのご近所さんの息子さんは、上海でそういった日本料理屋さんを開いて
大成功しているみたいですし、商売と言うより 全くのビジネス。
職人の腕とはなんぞや???と考えてしまうような、
何が本当で 何がにせ物か 
両方共が 本物なんですよ。後は 
やる人の 仕事、人生に対する哲学の問題。

自分が心配しても仕方がないけど、そういうふうに仕事をしていった人が
その 仕事をいつまでやれるのか?いつまでやらせてもらえるのか?
遺跡の発掘調査をしていた人が、40になっても、50になってもすし職人として
お寿司を握っているのか?その業界にいるのか?
そういった 先を見る 事ってしているのか?
聞いてみたい気がする。